08.11.17「人間の心理」(県短:社会福祉専攻) 第3回授業:授業内容Q&Aなど
2008/12/01/Mon
この日の授業は、「記憶」がテーマでした!
授業内容に関連してみなさんからいただいた質問、および私がお答えしておきたい感想などをご紹介します。
08.11.17「人間の心理」Q1
Q:今日の授業では、漁田先生の授業で教わった内容もあったりしたのですが、福岡先生と漁田先生で説明の仕方が違うので、2つの面からその内容が理解でき、とても分かりやすかったです。使っている資料や例などが違っているので、より理解することができました。
A:本当はこの「人間の心理」の方が先に受講すべき内容なんですが(漁田先生の授業は科目名からずれば「発達」に特化した内容のはずなので)、復習になればそれはそれでよいですよね。これまでの知識をさらに確かなものにしてください。
08.11.17「人間の心理」Q2
Q:前期に「記憶」についての講義を受けたので、少し懐かしくなりました。例えば、テストで選択問題のような問題は「再認」、思い出して答え自体を書くものは「再生」というのを覚えたことを思い出しました。
A:次回の授業にも出てきますが、「再認」とは、目の前にある情報がかつて記憶したものであることを確かめる作業、「再生」とは、何もないところでかつて記憶した情報を想起する作業です。この2つの大きな違いは、問題となっている記憶に関連する情報(想起の手がかり)が、その時点で物理的に存在しているかどうかです。
08.11.17「人間の心理」Q3
Q:私はテスト前、一夜漬けで勉強し、暗記をします。普通に考えるのなら長期記憶かもしれませんが、私の場合、1日、2日するとすっかり全て忘れてしまいます。それでも長期記憶になるのでしょうか。
A:そう、それは長期記憶ですよ。
短期記憶は数秒から数十秒単位のもので、「長期記憶との結びつき」が極めて浅いレベルでしかおこなわれていないものを言います。たとえば電話番号の数字を、まさに1つ1つの数字としてしか認識できていない状態です。授業中にやったとおり、確かに数字が聞こえたのに、思い出せないというものです。他方、一夜漬けだろうが何だろうが、試験勉強のときは、いったんは覚えたという実感があったはずです。たとえば「1192」は「1」「1」「9」「2」という単なる4つの数字ではなく、鎌倉幕府が開かれた年として、たとえば源頼朝とか義経とか平清盛とか後白河法皇とか関連する情報と結びつけながら記憶していたはずです。
08.11.17「人間の心理」Q4
Q:作業記憶は考えながら記憶していかなければ身につかないもの?なのか疑問に感じた。
A:おや、こんな説明はしていませんが・・・。「作業記憶」に関連する資料を次回配布しますね。ちなみに、専門的な本としては、こんなものもありますよ。
>ワーキングメモリ : 脳のメモ帳 苧阪満里子 [著] -- 新曜社, 2002.7, iv, 214p.
08.11.17「人間の心理」Q5
Q:情報の長期記憶化のところで、“文章化する”ということが出てきたけれど、私もよく暗記する時に、ストーリー化して覚えることがある。そういったことは、自分の中の既存の長期記憶によって左右されると思われるため、様々な経験をして、長期記憶を増やしていこうと考える。
A:それは良い心がけですね!
物知りはなぜ物知りかというと、それは物知りだからである・・・という謎解きのような話があったような気がしますが、既存の長期記憶が豊かであればあるほど、新たな情報をそれらと結びつけやすくなります。たとえば、英語が良くできる人は、フランス語やポルトガル語など他のある程度類似した言語も比較的スムーズに使えるようになるようです。
08.11.17「人間の心理」Q6
Q:高校の時などに先生に言われていた勉強法を授業をうけてみて、記憶のメカニズムとむすびつけて考えることができました。理論を知っていれば、記憶は残りやすくなるのではないかと思いました。
A:高校の先生も喜んでいるでしょう!
資料に「記憶術」の話を載せておきましたが、記憶の工夫というのは基本的な仕組みからの応用で説明できますし、自分でも実践できるものが多いと思います。
08.11.17「人間の心理」Q7
Q:私は、「これは覚えなくていいよ」と言われたことのほうが覚えやすいので、なぜかなと思うのと同時に、記憶は不思議だなと思いました。
A:これはですね・・・「覚えなくていいよ」と言われたことの方が覚えやすいというわけではなく、覚えなくてはいけないことも覚えなくていいことも、基本的には同じくらい覚えやすいし覚えておけるものなのです。「覚えなくていいことを覚えていない」ことはいわば当たり前だから目立ちませんが、「覚えなくていいことを覚えている」というのは目立ちますよね。その逆もまた同じです。だから、あたかも「覚えなくていいよと言われたことの方が覚えておきやすい」かのような錯覚を生じているのです。
08.11.17「人間の心理」Q8
Q:スキーマの例題にはみごとにひっかかり鈴木さんも外科医を男だと思ってしまっていました。ちゃんと文章読んだと思っていたのに不思議です。
Q:スキーマの例題は本当にひっかかりました。なんでそうやって決めつけを行ってしまうのでしょうかね。経験からなのでしょうかね。とても面白かったです。
A:どちらの例題も、そこに書かれている情報から、自分なりに人物像を(無意識的に)思い描いたはずです。その人物像をイメージするときには、自分があらかじめ持っている情報を使って補完をします。この補完のために使われる情報が、スキーマを構成している情報でもあると言えます。
08.11.17「人間の心理」Q9
Q:スキーマの例題は、目からうろこでした。鈴木さんのことは男だと思っていたし、下の文は、わたしは高校のときの英単語にのっていたから知っていたのに、またひっかかってしまいました。記憶っておもしろいなあと思いました。と同時に、わたしは固定観念が強いなあとも思いました。
A:固定観念は「スキーマ」の一種です。この種の問題にひっかからないようにするには、自分が最初に思い描いた印象をもう一度再吟味する習慣をつけることでしょう。それにしても、「外科医」の話はすっかり有名になりました。一部の心理学の本には15年以上前から載っていた気がしますが。(^_^;
授業内容に関連してみなさんからいただいた質問、および私がお答えしておきたい感想などをご紹介します。
08.11.17「人間の心理」Q1
Q:今日の授業では、漁田先生の授業で教わった内容もあったりしたのですが、福岡先生と漁田先生で説明の仕方が違うので、2つの面からその内容が理解でき、とても分かりやすかったです。使っている資料や例などが違っているので、より理解することができました。
A:本当はこの「人間の心理」の方が先に受講すべき内容なんですが(漁田先生の授業は科目名からずれば「発達」に特化した内容のはずなので)、復習になればそれはそれでよいですよね。これまでの知識をさらに確かなものにしてください。
08.11.17「人間の心理」Q2
Q:前期に「記憶」についての講義を受けたので、少し懐かしくなりました。例えば、テストで選択問題のような問題は「再認」、思い出して答え自体を書くものは「再生」というのを覚えたことを思い出しました。
A:次回の授業にも出てきますが、「再認」とは、目の前にある情報がかつて記憶したものであることを確かめる作業、「再生」とは、何もないところでかつて記憶した情報を想起する作業です。この2つの大きな違いは、問題となっている記憶に関連する情報(想起の手がかり)が、その時点で物理的に存在しているかどうかです。
08.11.17「人間の心理」Q3
Q:私はテスト前、一夜漬けで勉強し、暗記をします。普通に考えるのなら長期記憶かもしれませんが、私の場合、1日、2日するとすっかり全て忘れてしまいます。それでも長期記憶になるのでしょうか。
A:そう、それは長期記憶ですよ。
短期記憶は数秒から数十秒単位のもので、「長期記憶との結びつき」が極めて浅いレベルでしかおこなわれていないものを言います。たとえば電話番号の数字を、まさに1つ1つの数字としてしか認識できていない状態です。授業中にやったとおり、確かに数字が聞こえたのに、思い出せないというものです。他方、一夜漬けだろうが何だろうが、試験勉強のときは、いったんは覚えたという実感があったはずです。たとえば「1192」は「1」「1」「9」「2」という単なる4つの数字ではなく、鎌倉幕府が開かれた年として、たとえば源頼朝とか義経とか平清盛とか後白河法皇とか関連する情報と結びつけながら記憶していたはずです。
08.11.17「人間の心理」Q4
Q:作業記憶は考えながら記憶していかなければ身につかないもの?なのか疑問に感じた。
A:おや、こんな説明はしていませんが・・・。「作業記憶」に関連する資料を次回配布しますね。ちなみに、専門的な本としては、こんなものもありますよ。
>ワーキングメモリ : 脳のメモ帳 苧阪満里子 [著] -- 新曜社, 2002.7, iv, 214p.
08.11.17「人間の心理」Q5
Q:情報の長期記憶化のところで、“文章化する”ということが出てきたけれど、私もよく暗記する時に、ストーリー化して覚えることがある。そういったことは、自分の中の既存の長期記憶によって左右されると思われるため、様々な経験をして、長期記憶を増やしていこうと考える。
A:それは良い心がけですね!
物知りはなぜ物知りかというと、それは物知りだからである・・・という謎解きのような話があったような気がしますが、既存の長期記憶が豊かであればあるほど、新たな情報をそれらと結びつけやすくなります。たとえば、英語が良くできる人は、フランス語やポルトガル語など他のある程度類似した言語も比較的スムーズに使えるようになるようです。
08.11.17「人間の心理」Q6
Q:高校の時などに先生に言われていた勉強法を授業をうけてみて、記憶のメカニズムとむすびつけて考えることができました。理論を知っていれば、記憶は残りやすくなるのではないかと思いました。
A:高校の先生も喜んでいるでしょう!
資料に「記憶術」の話を載せておきましたが、記憶の工夫というのは基本的な仕組みからの応用で説明できますし、自分でも実践できるものが多いと思います。
08.11.17「人間の心理」Q7
Q:私は、「これは覚えなくていいよ」と言われたことのほうが覚えやすいので、なぜかなと思うのと同時に、記憶は不思議だなと思いました。
A:これはですね・・・「覚えなくていいよ」と言われたことの方が覚えやすいというわけではなく、覚えなくてはいけないことも覚えなくていいことも、基本的には同じくらい覚えやすいし覚えておけるものなのです。「覚えなくていいことを覚えていない」ことはいわば当たり前だから目立ちませんが、「覚えなくていいことを覚えている」というのは目立ちますよね。その逆もまた同じです。だから、あたかも「覚えなくていいよと言われたことの方が覚えておきやすい」かのような錯覚を生じているのです。
08.11.17「人間の心理」Q8
Q:スキーマの例題にはみごとにひっかかり鈴木さんも外科医を男だと思ってしまっていました。ちゃんと文章読んだと思っていたのに不思議です。
Q:スキーマの例題は本当にひっかかりました。なんでそうやって決めつけを行ってしまうのでしょうかね。経験からなのでしょうかね。とても面白かったです。
A:どちらの例題も、そこに書かれている情報から、自分なりに人物像を(無意識的に)思い描いたはずです。その人物像をイメージするときには、自分があらかじめ持っている情報を使って補完をします。この補完のために使われる情報が、スキーマを構成している情報でもあると言えます。
08.11.17「人間の心理」Q9
Q:スキーマの例題は、目からうろこでした。鈴木さんのことは男だと思っていたし、下の文は、わたしは高校のときの英単語にのっていたから知っていたのに、またひっかかってしまいました。記憶っておもしろいなあと思いました。と同時に、わたしは固定観念が強いなあとも思いました。
A:固定観念は「スキーマ」の一種です。この種の問題にひっかからないようにするには、自分が最初に思い描いた印象をもう一度再吟味する習慣をつけることでしょう。それにしても、「外科医」の話はすっかり有名になりました。一部の心理学の本には15年以上前から載っていた気がしますが。(^_^;



